九天blog

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2010年 10月 15日 (金)

九州記念

西日本スポーツ杯第21回九州記念
  (10月15日・荒尾2000m・九州地区交流)

 九州競馬の秋〜冬の古馬重賞は九州記念(10月・荒尾2000m)を基点として、九州大賞典(11月・佐賀2500m)→中島記念(12月・佐賀所属限定2000m)・肥後の国グランプリ(12月・荒尾所属限定2000m)を経て2月の佐賀記念JpnIII(佐賀2000m)の中長距離路線が組まれている。今年の九州記念は佐賀からミヤノオードリーが九州大賞典の優先出走権(九州記念の1着馬に付与)を獲得するために参戦するプランもあったが、結局のところ無理をしない方針で回避したらしく、佐賀勢の参戦はなくなり荒尾勢8頭で行われることとなった。

 出走馬8頭中、単勝1.4倍の圧倒的な支持を受けたタニノウィンザーは、08年10月にJRAから荒尾に転入。荒尾での初勝利となる同年末の肥後の国グランプリを優勝し重賞初制覇。以後は中距離戦で抜群の強さを発揮し、荒尾2000メートルでは重賞5勝を含む6戦6勝で、昨年の九州記念も勝利しており、今回は連覇の掛かる一戦。しかし、昨年は夏場の短距離戦にも対応していたものの、今年は4月にA級特別の大阿蘇賞(2000m)を勝利した後は未勝利と、臨戦過程に一抹の不安材料もあったためか、2番人気のテイエムメデテカ(単5.9倍)、3番人気テイエムジカッド(単6.4倍)と、続く上位人気馬も単勝オッズ的にはさほど引き離されてはいなかった。また、一昨年の九州記念の勝ち馬で、昨年2着のテットウテツビ(せん9、崎谷彦司厩舎)は、上位3頭からはやや離れた4番人気といったところだが、ここ2走大敗している割には支持されており、やはり距離適性に期待が寄せられているという感じ。

 このところのA級やB級でペースを作っていたペプチドジャスパーやミヤジレオン、モエレフェニックスといったところがこのレースに出走しておらず、今回の出走馬の中には近走逃げている馬が不在のメンバー構成となったためか、これまで2番手あたりでの先行策を取っていたワンダージュールが逃げ、その直後にテイエムジカッドとムツミイングランドがつけたものの、そこから中団3頭、後続2頭と馬群3つが大きく離れる展開も、1周目の直線ではワンダージュールが単騎逃げの形となり、以降ややバラけて5番手テットウテツビ、6番手タニノウィンザーまでが中団の隊列。向正面でテットウテツビが前を伺おうかというところでその直後にタニノウィンザーが追走。3コーナーで逃げていたワンダージュールを2番手テイエムジカッドが交わそうかというところでテットウテツビも先頭争いに参戦。しかしその両馬が抜け出しきれない状況で一気にタニノウィンザーが先頭を奪取すると、内で追いすがるテットウテツビを問題とせず、そのまま押し切ってゴールイン。九州記念の連覇とともに、荒尾2000m重賞6連勝を達成。2着もテットウテツビが確保して、上位2頭は昨年同様の結果となった。九州記念はこれで荒尾勢4連覇と、九州交流競走では荒尾勢優勢の競走ともいえるが、荒尾の賞金低下に伴って、連覇のここ4年では09年に佐賀1頭の参戦があったのみ(但し07年は馬インフルエンザの影響により荒尾所属馬単独開催)と、単に(ほぼ)荒尾勢同士の対戦となったためであるだけに、ミヤノオードリーには参戦してほしかったところ。

 タニノウィンザー鞍上の吉留孝司騎手は「この距離では”自信を持って乗る”ぐらいの気持ちじゃないといけませんからね。特にテットウテツビをマークする作戦だったわけではなく、馬にまかせた位置取りでしたが、前に1頭置いておきたかった。先にテットウテツビが動いたので、直線でかわせる自信はありました」と、馬の力量を信じての横綱相撲。頼本盛行調教師も「テットウテツビとの位置取りに関しては特に指示はしてなかった。枠順が内外逆だったら前後も逆になったかもしれない」と、展開面ではテットウテツビを考慮するよりもタニノウィンザーとしてベストのレースをした結果、同馬をマークする形になったということか。今後については「まだ本調子には一歩手前。九州大賞典に関してはこれから検討してみます(頼本盛行調教師)」とのこと。しかし、昨年も九州記念から九州大賞典へ出走(7着)している上、一昨年・昨年と佐賀記念にも出走と、佐賀遠征に積極的な姿勢を見せているだけに、今年も出走する可能性は高そうだ。なお、九州記念はJBCクラシックの九州地区指定競走なだけに、同レースへの登録も考慮の内に入っている模様。それにしても、九州記念直後の笠松場外発売実施中のころに早くもJBC側から頼本師に出走打診の電話がかかってくるあたり、JBCも仕事が早いですね(ちなみに、昨年の九州記念勝利時にも打診があったそうです)。

 一方、2着に敗れたテットウテツビは、ここ2走は勝ち馬から3秒前後の大敗だったが、前走から+10kgの502kgと昨年の九州記念と同じ馬体重で出走。「去年までは夏は休ませていたけども、使った今年は年齢の影響もあって夏バテが尾を引いていて、まだまだ完調じゃなかった。前走で今日ぐらいの体調になっていたら、今日は勝っていたかもしれんよ。(今後は)荒尾にいても1500mしかないから、九州大賞典(昨年4着)には行きますよ(崎谷彦司調教師)」と、復調途上でのレースながら、やはりこの距離では力を発揮してきた。どうやら、昨年同様に九州記念1、2着馬がともに九州大賞典へ向かいそうな状況で、両陣営ともに「今回はまだ本調子手前」なだけに、これから調子を上げて九州大賞典での健闘も期待できそうだ。

更新時刻:23:59:00 - カテゴリ: 02a:九州競馬 - 作成者: Tien
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