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2012年 11月 25日 (日)

九州大賞典

昨年2着のリベンジ達成
デュナメス&南谷圭哉騎手、人馬ともに重賞初制覇

移転開設40周年記念競走
九スポ杯第14回九州大賞典
  (11月23日・佐賀2500m・地方全国交流)

 昨年まで九州交流戦で行われていた九州大賞典は、今年は佐賀競馬場の佐賀市から鳥栖市への移転40周年を記念して地方全国交流として行われることとなった。しかし、2500メートルという距離の特殊性のためか、出走馬の発表時点では他地区所属馬は金沢、高知から各1頭のみ。 その後アポロヴァンドーム(金沢)が回避し、佐賀8頭にムサシボー(高知)を加えた9頭での争いとなった。

 1番人気となったのは昨年のこのレース2着のデュナメス(牡6)。09年8月にJRA未勝利から佐賀に転入した後は、連対を外したのは1度のみで、10年4月から29戦連続連対を継続中。前走の雷山特別(11月4日、2000メートル)で逃げ切り勝ちを収めている。昨年の九州大賞典優勝馬メイホウホップは、今年は序盤に調子を落としていたが、4月以降に復調し、勝利は7月の韓国岳特別の1戦のみながら、12戦中11戦で3着以内を確保。しかし、佐賀転入後の5戦を2勝、2着3回の5戦連続連対で迎えていた昨年よりはやや見劣りする成績となったのは事実で、デュナメスからはやや離された2番人気となった。

 スタート直後にハナに立ったのは、6月の佐賀転入2戦目から10戦連続連対中で、前走の玄界灘特別を勝ってこのレースの優先出走権を獲得したマイハマドリーム。しかし、デュナメス、トムトムが直後を追走し3頭ひと固まりの逃げ馬群を形成。2コーナーでトムトムは3番手に控えたものの、依然マイハマドリームの直後をデュナメスが追走し、大きく離れてトムトム、メイホウホップやタニノウィンザーはさらに離れた中団につけ、縦長の展開に。2周目向正面に入るとデュナメスが先頭を伺い、向正面中ほどでメイホウホップ、タニノウィンザーも前との差を詰めにかかってレースが本格的に動き出す。3コーナーでマイハマドリームが脱落し、単独で先頭に立ったデュナメスに4コーナーでメイホウホップ、タニノウィンザーの両馬が一気に襲い掛かり、ここで先頭も変わるかと思われたが、直線に入ってデュナメスが2頭を再度突き放す。タニノウィンザーが2番手争いから抜け出したものの、デュナメスとの差は詰めることはできず、デュナメスがタニノウィンザーに2馬身差をつけてゴールイン。

九州大賞典


注入される南谷騎手 デュナメスはスタートから2周目3コーナーまでマイハマドリームと併走し、単独先頭に立った直後にタニノウィンザーらに強襲されるという厳しいレースを制して、重賞挑戦3度の2着の後、4戦目で待望の重賞初制覇。また鞍上の南谷圭哉騎手もこれが重賞初制覇。表彰式では当日の場内イベントで来場していた楽しんご氏がプレゼンテーターを勤め、南谷騎手にラブ注入。「(マイハマドリームとの併走は)望んだ展開でした。勝ったときはまずほっとして、それから嬉しさが出てきましたね。パニック状態でわけわかんなかったですよ」(南谷騎手)と笑顔がこぼれた。

 2着タニノウィンザーは荒尾所属時に九州大賞典は2着(10年)、3着(11年)と好走している。今年は所属する頼本厩舎とともに佐賀に移籍してきたが、ここまで11戦して6月の高千穂峰特別の1勝のみだったが、この条件ではやはり浮上してきた。「4コーナーでは”これで勝ったな”と思いましたけど、そこから引き離されましたね。馬の状態は今相当いいですよ」(頼本盛行調教師)と残念そうだったが、今回は勝った馬が強かったとしかいえないだろう。メイホウホップは4月以降のレース同様に上位に来るものの勝ちきれないレースで3着。パドックでの周回中に特設ステージのイベントから大音量が聞こえてくると急にうるさくなり、その影響もあっただろうか(逆にそれまでうるさかったムサシボーは音が流れてくるとおとなしくなった)。4着には高知から遠征のムサシボー。高知では1300メートル戦主体の出走で、勝利はC級での3勝のみ。しかし、09年福山大賞典(2600メートル)優勝など、長距離重賞での上位実績が豊富で、距離適正を活かしての上位獲得だった。

 デュナメスを管理する土井道隆調教師は「1400でも2000でも2500でも距離は関係なく走ってくれます。430キロぐらいで犬みたいな馬体ですけどね、根性がこの馬の一番いいところですよ。今日は根性勝ちです」と健闘をたたえ、今年の大目標の中島記念に向けては「逃げていたら、2戦続けて逃げて逃げて勝つことになって、次は失敗するんじゃないかと不安になったかもしれないので、(2番手のレースで)今日は中島記念へいい予行演習になったんではないでしょうか。中島記念にウルトラカイザーとエスワンプリンスが出てきたら、両方とも前に行きたい馬だけに、むしろうちの馬に展開が向くかもしれないですね」と自信をうかがわせていた。

九州大賞典


 今回の九州大賞典は地方全国交流となったとはいえ、出走馬は高知から1頭のみ。20周年記念(92年)のときは2500メートルで施行されていた開設記念(現:佐賀記念)を「他地区の馬が出走しやすくするため」2000メートルに短縮して西日本交流戦として施行し、東海地区から優勝したタイプスワローら6頭の出走馬を集めていただけに、今年もあるいは距離短縮を健闘するべきだったのかもしれない。また、ウルトラカイザー、エスワンプリンスも九州大賞典への登録はなく、6月に福山に遠征して西日本グランプリを制したレイズミーアップも、トライアルの雷山特別では2着で優先出走権を獲得できず、番組賞金不足で今開催は準オープンへの登録へ。レイズミーアップを管理する真島元徳調教師は「ずっとA1へ希望投票で出してきて、今日出ている馬でこの馬に勝っているのはどれだけいるのか。負けている馬をゴリ押しで出してくれと言っているわけではないのですからね」と残念そうだった。結局、九州大賞典は佐賀の一線級が揃ったとはいえないレースとなり、結局上位3頭は去年の上位3頭のまま(今年の上位3頭は昨年2着、3着、1着)。開設40周年記念で、祝日ながら他場のダートグレードと日程競合することが無く、全国発売となった好条件が揃ったレースだけに、良質な出走馬を集める努力はもっと必要だったのではないだろうか。

 九州大賞典の上位組に加え、前述のウルトラカイザー、エスワンプリンス、レイズミーアップも中島記念(12月24日)のファン投票への登録がある。ウルトラカイザーは「間に合えば出走させたいですが、間に合うかはちょっと微妙です。脚元は痛めているわけでは無いですが、まだ使うにはちょっと怖いですね」(真島調教師)とのことだが、各馬揃って出走してくるようなら間違いなく「佐賀の有馬記念」となるドリームレースになりそうだ。

更新時刻:16:13:28 - カテゴリ: 02a:九州競馬 - 作成者: Tien
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