西日本地区のアラブの春の大一番第８回アラブ大賞典。今年は中津と高知からエ ントリーがなく他地区４頭佐賀６頭の１０頭での争いとなった。

　昨年２着馬の兵庫代表ケイエスヨシゼン。昨年はゴール直前でハッコウマーチの強襲にクビ差敗れたが近走重賞・オープン特別を２連勝して再度参戦。昨年の雪辱を狙う。対抗格は３年前の２着馬ミナミセンプウ。１月の福山大賞典を勝ち、前走のマイラーズＣも２着。この距離歓迎だけにこちらも３年前の雪辱を狙う。荒尾のオスズイチリキと益田トヨサンパワーは近走勝ち星なくやや見劣るか。

　迎え撃つ佐賀勢だが近年レベルダウンが著しく今回のメンバーではあまり大きな期待を持つのは酷か。遠征の２強は別格として入着までといったところか。昨年の場外不知火勝馬フクヨシオーも佐賀転入前は兵庫の条件級でこのあたりの馬に転入後スンナリ連勝される状況では全体のレベルとしては見通しが暗い。またこの馬にとってはこのレース距離が長いか。一昨年の場外不知火勝馬で昨年の５着馬ミクニノリンボーは年明けの不知火賞で１勝したがその後はいま一つ。先行しての流れ込みまでか。未だ重賞未勝利だが前が早くなればカケノライジンに展開が向くがこちらも入着までといった感じ。

　朝からの好天もだんだんと雲量が増えてきた佐賀競馬場。人気はケイエスヨシゼン・ミナミセンプウの２頭に集中。かなり離れて佐賀勢のグレイトメダリスト、フクヨシオーが続く。

　スタートはオスズイチリキが出を伺うも内枠からフクヨシオーが併走。その２頭を見ながらミクニノリンボーとカケノライジンがつけ人気のケイエスヨシゼン、ミナミセンプウの２頭がその後ろ。さらにテイリツエルシド、トヨサンパワー、グレイトメダリスト、ドントカップの順で最初のゴール前を通過。

　最初に大きな動きがあったのは１〜２コーナー。ここでフクヨシオーが大逃げに打って出て２番手オスズイチリキ以下を大きく引き離す。先頭のフクヨシオーが４コーナーを回ろうかというところでようやく２番手オスズイチリキが３コーナーに到達する程の大逃げとなりそのオスズイチリキから３番手カケノライジンまでも４・５馬身といった状況。

　１周目ゴール前通過時もフクヨシオーの大逃げは続くがさすがに脚はバタバタ。大きく離れてオスズイチリキ。そこからの差はやや詰まってケイエスヨシゼン、ミクニノリンボー、カケノライジン、ミナミセンプウ、テイリツエルシド、グレイトメダリスト、トヨサンパワー、ドントカップの順で通過。

　１周目ゴール前での様子から早めに脚が止まるかと思われたフクヨシオーだが向正面に入っても差が詰まりながらもまだリードを保ちケイエスヨシゼン、連れてミナミセンプウが差を詰めつつようやく逃げるフクヨシオーに並びかける。４コーナーに入ってようやくケイエスヨシゼンが先頭に立ちミナミセンプウが追走。

　直線に入ってケイエスヨシゼンがスパートをかけるとミナミセンプウも懸命に併走するが１／２馬身差は縮まらずケイエスヨシゼンが昨年の雪辱を果たした。逃げたフクヨシオーも懸命に粘りこむがようやくミクニノリンボーが捕らえて３着。４着はフクヨシオーが確保し、５着にオスズイチリキ。

　ケイエスヨシゼンは昨年ハッコウマーチの急襲に屈したこのレースを２度目の挑戦で優勝したがメンバー的には相手はミナミセンプウただ１頭というメンバー構成でやや恵まれた印象もある。ミナミセンプウは２着とはいえ1/2馬身差は内容的には健闘か。ミクニノリンボーは昨年５着から今回出走していない高知代表とシリウスファイターを除いた分繰りあがりで３着と自身の能力分は走った。４着フクヨシオーは大逃げが結果的には大成功で粘りこみ。５着オスズイチリキは２番手追走から早めに１・２着馬に交わされたものの６着以降の馬の凡走に助けられ掲示板を確保。佐賀の馬では２番目に人気を集めたグレイトメダリストは道中全く動けず９着。