昨年度より九州の地方競馬に移設されたたんぽぽ賞は今年は佐賀での施行となり、２つのトライアル競走を経て地元佐賀から３頭、荒尾から３頭、ＪＲＡから６頭の１２頭のフルゲートでの戦いとなった。両トライアルの勝馬カシノコール、シンセイマークを中心にひまわり賞２・３着馬タハラウィング、トキツイナズマや夏の九州産馬未勝利戦を勝ちあがったタハラセンショウ。荒尾でデビュー２戦をいずれも大差勝ちのシュペリオリティと九州産４歳両横綱（カノヤツヨシ、ユメノセテコウユー）を欠きながらもかなりのメンバーが揃った。

　昨日夜から天候が崩れ雨の中でのたんぽぽ賞となった。カシノコールがノカイドウ特別同様に逃げ作戦でマルシゲマーク、タハラウィングが直後に付けシュペリオリティ、シンセイマークの荒尾勢２頭。ヤマトタイガー、トキツイナズマ、ヨシノアンズ、カノヤホマレオあたりが中団を形成しイーグルコマンド、ヤマトタイガー、タハラセンショウらが後方待機。向正面でもカシノコールの単騎逃げでシュペリオリティとマルシゲマークが追走し、シンセマークとタハラウィングがその後方。ヨシノアンズ、トキツイナズマ、ヤマトタイガー、イーグルコマンド、カノヤホマレオ、タハラウォーリアの順で縦長の中団が形成され大きく置かれてタハラセンショウの非常に縦に長い隊列。

　カシノコールの逃げのまま３コーナーでシンセイマークがその直後に進出し連れて上がっていったタハラウィングとともに前３頭の争いへ。直線に向いてシンセイマークが先頭に立ちタハラウィングも追走するが差は詰まらずシンセイマークがミヤマキリシマ特別・たんぽぽ賞を連勝。逃げたカシノコールは３着に粘る。大差の２連勝で人気を集めたシュペリオリティは３コーナーで下がり気味となり見せ場無く９着。

　昨年のたんぽぽ賞に続いて荒尾勢の優勝となったが昨年のトライアル２戦・本戦での戦いを通して”九州産馬同士なら互角”の手応えをつかんだ事が今回の連覇に繋がったか。また荒尾→佐賀の輸送も交流戦の増加でそう珍しいものでも無くなっており、最近の荒尾勢の交流戦での好成績の一因だろう。一方佐賀勢は今年のトライアル２戦・本戦ともに１勝もできず昨年来の交流戦での不振から抜けだせず。

　九州地方競馬に移設された霧島賞・たんぽぽ賞ともにＪＲＡ条件・地方オープンの設定で地方のみ重賞扱いとなっているが、九州産馬チャンピオン決定戦であり単なる条件馬交流戦とは意味合いが異なるレースであり、早急にＪＲＡ側もオープン化する事が望ましく（もし現時点でカノヤツヨシ、ユメノセテコウユーがオープンクラスで活躍していたらだれもたんぽぽ賞に九州産４歳チャンピオン決定戦との価値を与えないだろう）、オープン交流となった場合の賞金額・ＪＲＡ負担金比率の問題もあるが、九州馬産振興という本来の目的に立ち返り真のチャンピオンシップの確立を求めたい。また九州の地方競馬へ移設とはいえ小倉競馬場でまったく施行されないというのもいかがなものか？九州３場＋小倉の４場持ち回り競走への改定を望む。